By KOBEホワイトニング Posted 2024-02-02
~プラークコントロールについて~
プラーク(歯垢)は、複数の細菌がペリクル上に付着したもので、むし歯や歯周病の原因の一つとも言われています。また、高齢者では誤嚥性肺炎などの影響にもつながるため、毎日の歯ブラシがとても大切になってきます。
このプラークコントロールとは、歯に付着したプラークを除去することと、食生活の改善やフッ化物(フッ素)の応用を利用して、プラークを付着させない口腔内にしていくことを目的とします。
まず、このプラークコントロールで代表的に使われるのが歯ブラシです。歯ブラシはプラークや食物残渣(食べかす)の除去だけではなく、その他にも、歯肉マッサージや口腔機能のリハビリテーション(頬の筋肉を鍛える)などがあります。たくさんの使用目的に応じて、今薬局などでは多くの歯ブラシたちが並んでいます。どの歯ブラシを使えばいいのか、迷ってしまう方もいるのではないでしょうか。多くの種類がある中で、自分に合った歯ブラシを選ぶことがとても大切です。
また、歯ブラシの交換時期が分からないという声を聞きます。
そこで、まずは歯ブラシの管理方法について説明をします。使用した歯ブラシは必ず流水で洗い流し、付着している汚れをしっかりと取ります。そして、風通しのいい場所に置いて保管します。歯ブラシキャップをつける方が見えますが、基本的にキャップは捨ててしまってかまいません。もし、キャップを使いたいという方は、歯ブラシを洗ったらしっかり乾燥させてから使用するようにしましょう。濡れたままキャップをつけると細菌たちが繁殖してしまう可能性があるので注意してください。
そして、歯ブラシの交換時期の目安は1カ月です。それまでに、歯ブラシの毛先が開いていれば、早めに交換するようにしましょう。毛先が開いている歯ブラシでは、プラークなどの汚れを取ることができません。さらに、この毛先がすぐ開いてしまう方は、歯ブラシの圧が少し強すぎるかと思われます。知覚過敏や歯肉を傷つけてしまう可能性があるので、自分の歯ブラシを一度確認して、開いているようでしたら歯科医院での定期検診で、歯ブラシの磨き方や、持ち方を教えてもらいましょう。
また、歯ブラシの毛の硬さはやわらかめ、ふつう、かためと種類があります。かための方が汚れを落としやすいと思い込んでいる方が多く見えますが、歯ぐきの状態や汚れの落とし具合によって、毛先のかたさを変えていくので、それも含めて歯科医院でブラッシング指導を受けた方がいいでしょう。
歯ブラシを使う時に、歯磨剤をつけて磨く方が大半かと思います。歯磨剤も歯ブラシと同様にたくさんの種類が販売されています。歯ブラシと同様、歯磨剤も自分の口腔内の状態にあったものを選ぶことがとても大切になってきます。
まず、歯磨剤についてですが、化粧品と医薬部外品に分けられます。
化粧品とは、基本成分だけからできているものをいいます。そして、医薬部外品とは、基本成分に薬用成分が加えられたものをいいます。ほとんどの歯磨剤は医薬部外品で販売されています。その中にむし歯予防や歯周病予防の歯磨剤などがあるので、それぞれのお口の中の状態に合わせたものを選ぶようにしましょう。
販売されている歯磨剤の8~9割はフッ素が配合されているため、子どもから大人・高齢者まで、誰もが家庭や職場でできるフッ化物応用法になります。自宅にあるフッ素入りの歯磨剤を使うだけでも約25~40%むし歯を予防できるのです。
歯磨剤を使える年齢のタイミングは、乳歯の歯が生えてきたらフッ素が配合されている歯磨剤を使いましょう。そこでよく使用量が分からないという声を聞きます。
まず、6カ月から2歳くらいまでは、子どもの切った爪程度の少量で十分です。この年齢は口をゆすぐことが難しいので、ペーストタイプの歯磨剤ではなく、泡状やスプレータイプの歯磨剤を使うことをおすすめします。このタイプの歯磨剤であれば、ガーゼなどで拭ってあげれば良いです。3歳から5歳は5mm以下、6歳以降は1cm程度の量を目安に使いましょう。
よく保護者の方で、子どもはいつまで仕上げ磨きが必要なのか聞かれますが、小学生の中学年までしてあげましょう。大人でも歯磨きができていない方が多くみえます。子どもはもっと磨けていない状態です。そのため子どもが嫌がらなければ、大きくなっても磨いてあげましょう。仕上げ磨きをすることで、親子のスキンシップにもつながり、むし歯予防もできるので一石二鳥ですね。
また、むし歯予防をより効果的にする磨き方は、ダブルブラッシング法です。まず、1回目の歯ブラシは歯磨剤をつけずに、プラークを徹底的に除去します。そして、2回目の歯ブラシで歯磨剤をつけて磨くと、とても効果的にむし歯予防ができるのです。
お口の中の清掃で主に使われるのが歯ブラシですが、歯ブラシだけでは約6割の汚れしか取れないと言われています。特に歯と歯の間は歯ブラシの毛先が届かない部位です。そこで補助的清掃器具を使うことをおすすめします。
まず、よく使われるのがデンタルフロス(糸ようじ)です。このデンタルフロスは歯と歯の間の清掃にとても適しています。使い方としては、歯の根っこの方に向かってのこぎりを引くように動かします。この時、思いっきりデンタルフロスを引く方が見えます。力いっぱい行ってしまうと、歯肉を傷つけてしまう可能性があるので、優しく引くようにして汚れを取りましょう。
その他には、歯間ブラシがあります。これも歯と歯の間の清掃に使います。歯間ブラシにはサイズがさまざまありますので、自分の歯と歯の間にあったものを使ってください。サイズを守らずに無理やり歯と歯の間に通してしまうと、歯肉を傷つけ、歯肉を退縮させてしまう可能性があるので、サイズが分からない場合は歯科医院で指導を必ず受けましょう。
そしてその他にも、タフトブラシ(クラフトともいいます)という補助清掃器具があります。これは歯ブラシと似ていますが、植毛が一束しかないので、ヘッドがかなり小さいです。タフトブラシは、プラークが残りやすい歯と歯ぐきの境目や、矯正装置をつけている歯を磨くのに適しています。デンタルフロスは基本的に使い捨てですが、歯間ブラシとタフトブラシは歯ブラシと同様の方法で保管します。
歯ブラシと補助的清掃器具を毎回使うのはけっこう面倒くさい、と言われることがあります。本当でしたら毎日、毎回デンタルフロスなどを使って清掃するのが理想的ですが、まずは週に1回から始めてみましょう。歯と歯の間の汚れたちがゴソッと取れてきます。慣れてきたら週に2回、3回と数を増やしていき、プラークたちが付着しにくい口腔内へとしていきましょう。