By KOBEホワイトニング Posted 2023-06-21
歯を失いたくないならデンタルフロスを使おう
ほとんどの方は毎日歯磨きをしていると思いますが「毎日デンタルフロスを使っている」人はどのくらいいらっしゃるでしょうか。
「使った方がいいことは知っているけれど、毎日となるとなかなか…」「気になった時だけ使っています」という声をよく耳にします。
今回はデンタルフロスをなぜ毎日使うべきなのかや、使い方のコツを解説いたします。
デンタルフロスとは
デンタルフロスよりも、同じ用途で使う「糸ようじ」をご存知の方が多いかもしれません。形は違いますが、どちらも同じ用途で使うものです。
《糸ようじ》
半月状のプラスチックのホルダーに糸がついたもので、主に前歯の歯と歯の間に使います。F字型ともいいます。手軽に使えるため初心者の方はこちらの方が使いやすいかもしれません。しかし奥歯には届かないため、奥歯用のY字型も販売されています。
一度で使い捨てではなく、糸が傷むまでは洗って乾かし、何度も使えるアイテムです。
《デンタルフロス》
手のひらサイズの容器に糸のようなものがロール状に入っており、必要な分だけ切って使います。一度使う度に処分するため衛生的で、糸ようじと比べて経済的です。指に巻きつける方法と、円を作って使う方法があります。
この2つは用途は同じですが、使い方や特徴はそれぞれ異なります。まずはご自身で使いやすいもの、取り入れやすいものから試してみてください。
歯ブラシだけでは磨き残しがたくさん!?
歯科医院に行った時に「デンタルフロスを使ってくださいね」と言われた経験はありませんか。「歯磨きしているし、それで十分じゃないのかな」「面倒臭いな」と感じた方もいらっしゃるでしょう。
ではここで考えてみていただきたいのですが、お口の中の汚れを100%とした時、歯ブラシだけでどのくらいの汚れが取り除けると思いますか。実は、歯ブラシだけでは60%程度しか除去することができません。なんと半分近くが残ったままになっているのです。
せっかく歯磨きを丁寧にしていても、半分も磨き残しているなんて残念な気持ちになるのではないでしょうか。できれば虫歯や歯周病にはなりたくない方がほとんどだと思います。
デンタルフロスは、これらを予防するために大きな役割を果たしてくれるのです。
次の項では、デンタルフロスを使う必要がある理由を詳しくお伝えします。
デンタルフロスが必要な理由
歯ブラシを使って一生懸命磨いていても、残念ながら歯と歯の間まで歯ブラシの毛先は届きません。一見磨けているように見えても、歯と歯の間には歯垢が残った状態になっているのです。この状態が続くと、歯と歯の間の虫歯になってしまったり歯周病になってしまったりします。
そのため虫歯や歯周病を予防するために、デンタルフロスは欠かせないものなのです。他にも虫歯や詰め物に問題がある時には引っかかったり、歯周病がある時には出血したりと、お口の変化に気がつくきっかけになってくれます。
お口を見た時にきれいであれば「少しくらい大丈夫だろう」と思うかもしれませんが、ぜひ試しにデンタルフロスを通してみてください。恐らく歯垢がついてくるはずです。普段デンタルフロスを使う習慣がない場合は、臭いが気になる歯垢が取れると思います。
このような少量の歯垢の中にもたくさんの細菌が含まれており、その数は1mg中に約10億と言われています。これだけたくさんの細菌が残ったままになっていたら、虫歯や歯周病が生じる可能性が高くなることは、想像に難くないでしょう。
・1.5倍も変わる!歯垢除去率
日本歯周病学会会誌に掲載されたある研究データでは、歯ブラシに加え「デンタルフロスを使用した場合の歯垢除去率は1.5倍」と示されています。
また前項では「歯ブラシのみでは全体の60%程度の汚れしか取り除けない」とお話しましたが、デンタルフロスや歯間ブラシなど歯の間をお掃除するアイテムをプラスすることで、除去率を80%ほどまで高めることができるのです。
デンタルフロスを使っているかどうかで、どれだけ大きな差が生じるかお分かりいただけるのではないでしょうか。
上手にデンタルフロスを使うためには
ここまでのお話で「やっぱりデンタルフロスを使った方がいい。使ってみようかな」と思ってくださった方もいらっしゃるのではないでしょうか。
とはいえ、デンタルフロスを正しく使うことは意外と難しいものです。
「使ったことはあるけど、難しくてやめてしまった」「歯茎に刺さって心配になり、使わなくなった」というお声を良く耳にします。
では、上手に使うためには一体どのようなことを意識したら良いのでしょうか。続けて、使い方やそのポイントをご紹介します。
《デンタルフロスの使い方》
①ノコギリのように横に引きながら、ギザギザを書くように斜めにゆっくりと入れる
②左右の歯の面、それぞれに沿わせて上下に動かす
③横にゆっくり動かしながら引き抜く
《効果的に使うためのポイントと注意点》
・無理やり使わない
狭い隙間や通りにくいところに無理に通さないようにしましょう。歯茎を傷つけてしまう原因になります。
・歯茎にささらないようにする
グッと力を入れると、歯茎に刺さってしまいます。継続的に行っていると、それが原因で歯茎が痩せてしまうことがあるため注意が必要です。ゆっくりと少しずつ隙間に入れ込むようにしてください。
・固定を置く
歯の間に入れるときは、近くの歯や口の周りなどに空いている指で固定を置くと良いです。力が分散され、ゆっくり力を入れなくても入りやすくなります。
・自己流でやらない
簡単に思えても、ちょっとした角度やコツの違いで上手に使えなくなりがちです。歯科医院で歯科医師や歯科衛生士に指導してもらうことで、スムーズに始められるでしょう。
デンタルフロスを1日1回使って歯を守ろう!
デンタルフロスの使用頻度は、理想的には1日1回です。必要性を感じても、歯ブラシだけよりも手間が増えるため、いきなり毎日行うことは難しいかもしれません。
毎日の使用はもちろん大事ですが、長い目でみると「続けること」がとても大切になってきます。そのためには「いかにデンタルフロスの使用を習慣化するか」が鍵です。
最初は週に1回からでも構いませんので、曜日を決めるなどしていつ使ったのかを把握できる状態で始めましょう。慣れてきたら徐々に増やしていくことで、無理なく習慣化することができます。デンタルフロスを毎日使うことが当たり前になったら、使わないと気持ち悪く感じるようになると思います。そうなれば、毎日でも負担なく使い続けることができるでしょう。ぜひ歯科医院で教えてもらいながら、ご自分のペースで始めてみてください。