By KOBEホワイトニング Posted 2023-04-28
ホワイトスポットについて
ご自身の歯を見た時に、歯よりも明らかに白くシミのような物がある方はいますか?これは「白斑(はくはん)」または「ホワイトスポット」と呼ばれます。一体何者なのかを今から説明しますね。以下、「ホワイトスポット」と表記します。
ホワイトスポットには様々な原因が考えられます。大きな原因を5つ紹介します。そして予防法も合わせてお伝えしますので最後まで読んでみて下さい。あなたのホワイトスポットのお悩みが解決するかもしれません。
初期虫歯のホワイトスポット
「虫歯」と聞くと黒くて穴が開いているものを想像すると思いますが、実はその虫歯の始まりはホワイトスポットの場合があります。初期虫歯のホワイトスポットの特徴は、歯の表面に光沢がなく、ザラザラして白く濁り出します。虫歯菌が作り出す酸によってカルシウムやリンが溶けだし歯を脱灰させてしまうからです。歯に穴が開く事はなくても、実は歯の内部では「表層化脱灰」と言いう現象が始まっています。表層化脱灰とは歯の内部で脱灰が始まり、目では確認できないくらいの細かい空洞が存在する事です。その空洞に光の透過性や屈折性が異なり健康な歯に比べると、その部分が白く濁って見えてしまう訳です。初期の虫歯ではありますが、再石灰化という自浄作用で虫歯を進行しないような働きをしてくれます。しかし、虫歯に進行することもあるので、歯科医院での経過観察が必要です。
エナメル質形成不全
エナメル質形成不全は、遺伝や妊娠中の母親の栄養障害、生後間もない時に罹患した病気や栄養障害、さらに外傷や乳歯に大きな虫歯など感染があった場合に見られる形成不全です。
エナメル質を正常に作ることが出来ず、ホワイトスポットが出没してしまいます。エナメル質形成不全は、ホワイトスポットだけでなく、茶色に変色してしまう「ブラウンスポット」も存在します。いずれも虫歯でなくエナメル質が正常に作られなかっただけなので、もちろん治療の必要ありません。初期虫歯のホワイトスポットと、エナメル質形成不全のホワイトスポットとの見分け方は、歯の表面のザラつきなどですが素人目で判断せず、歯科医院を受診し診断してもらいましょう。
外傷もエナメル質形成不全になる要因です。永久歯は外傷を受けると、目に見えないヒビが生じ結晶の造りが変化し白く濁りホワイトスポットになってしまう事があります。乳歯の外傷の場合は、外傷のあった乳歯でなく後続永久歯にエナメル質形成不全が出現する可能性が高いです。外傷のあった乳歯ではない事から、後発的にホワイトスポットが出現するなんてとてもびっくりしますよね。例え外傷のあった乳歯から、出血や歯の揺れがなかった場合でも歯科受診をする事をお勧めします。レントゲンを撮って初めてわかる事もありますので放置しないようにしましょう。
フッ素の過剰摂取によるホワイトスポット
歯の形成期(胎児から12歳頃)にフッ素を過剰摂取するとホワイトスポットやブラウンスポットが出来やすくなります。これは歯牙フッ素症と呼ばれます。日本での発症率はかなり低いです。何故なら日本では水道水のフッ素化は行われていないからです。歯牙フッ素症は、口から飲みこむ事によって生じるので、歯科医院や自宅で行うフッ素塗布やフッ素洗口で発症する事はありません。余談ですが、北アメリカとオーストラリアでは水道水のフッ素化を実施していて、アイルランドに関しては国の法律で、水道水のフッ素化が義務化されているようです。
遺伝
両親のどちらかの歯にエナメル質形成不全が見られる場合は、お子様にもホワイトスポットやブラウンスポットが遺伝する可能性が高いです。幼少期からよく観察するのと、歯科受診をしましょう。
ホワイトニング
ホワイトスポットは、萌出後の歯に現出する事はありません。ただ、ホワイトニング中に一時的に出現することがあります。歯の厚みや、歯の組織の微妙な造りのムラでホワイトニングの薬液の効果が出やすい部分とそうでない部分があります。しかし一時的なもので歯の再石灰化が進むことにより、数日経てば目立たなくなります。
ホワイトスポットやブラウンスポットの治療は必要なのでしょうか?
虫歯ではないので治療の必要は特にありません。
初期虫歯の場合は、経過観察は必要ですが、歯を削って詰め物を詰めたりする事はしません。健康な歯に比べると、歯の表面のザラつきや凹凸が多いので定期的にメンテナンスに通い、専門的、機械的に口腔内を清掃してもらいましょう。クリーニングを行う事で、虫歯菌が繁殖しづらい環境になります。
ホワイトスポットやブラウンスポットがある方は、コンプレックスになっていたりする方もいらっしゃいます。そういう方は歯科医師との相談の元、審美的な治療をする事は可能です。歯を削らなくても治療できる方法もありますので、歯科医院へ相談の予約を取ってみてはいかがでしょうか?
ホワイトスポットの予防
治療までは考えていないけど、今よりひどくさせたくない方は予防をしましょう。
幼少期の栄養状態が悪かった場合や、妊娠中の栄養不足状態も原因のひとつです。栄養不足だと、赤ちゃんの歯を十分に作る事が出来ず、エナメル質形成不全を発症してしまうことがあります。妊娠中にお腹の赤ちゃんの歯胚(歯の赤ちゃん)が発生する時期は、早い歯で胎生5週ごろ~6週ごろです。その頃にお母さんが栄養不足だとリスクが上がるので、注意が必要です。つわりがひどく食事がまともに出来ない妊婦さんもいらっしゃると思いますので、産婦人科医に相談しながら栄養をとりましょう。
エナメル質形成不全を防ぐためには、ビタミンD・A・C、カルシウムを積極的に摂取しましょう。カルシウムを多く含む食品は、ひじき、チーズ、牛乳、ヨーグルトです。骨にいいものの代表的な食品ですね。ビタミンDを多く含む食品は、サンマ、カレイ、サケなどの魚類に多く含まれています。魚にはカルシウムも含まれているのでお勧めです。ビタミンAを多く含む食品は、レバー、うなぎ、バターなどの動物性の食品です。ビタミンCを多く含む食品は、パプリカ、アセロラ、ブロッコリーです。野菜や果物に多く入っているので摂取しやすいですね。
治療費はホワイトスポットの範囲などによって、薬剤や労力がかかります。時には特殊な薬剤を必要とする場合もあります。その場合は金額が割増料金になる可能性もありますので、歯科医師と相談して納得してから治療に進みましょう。
もしこれからお母さんになる可能性がある人や、現在ホワイトスポットでお悩みの方は参考にしてみて下さい。