宇宙飛行士は虫歯があるとなれない?セルフホワイトニングでオーラルケアも!

By KOBEホワイトニング Posted 2023-02-24

宇宙飛行士と歯の関係

2021年に日本の民間人でもあるMさんが宇宙へ行った事は記憶にも新しいと思います。このニュースを知った時、「虫歯がある人は宇宙飛行士にはなれない。」という事を耳にしたのを思い出しました。ただでさえ宇宙飛行士なんて夢のまた夢。合格率は0.3%の狭き門でエリート中のエリートの人しかなることができない宇宙飛行士。やはりそんなエリートだから虫歯でさえもないの?っと思ったのは、わたしだけでしょうか?笑

 

日本人初の宇宙飛行士の毛利衛さんは1995年の選抜で不合格通知が届いたようです。不合格の内容は「親知らずの治療と虫歯の治療をしていなかったため」だったそうです。不合格通知にはしっかりと「歯科治療の必要を認める」という文言が書かれていたと本人もお話されていたようです。やはり虫歯や親知らずがあるとダメなのでしょうか?今回はびっくりするような事実とともに宇宙飛行士と虫歯の関係性をお話したいと思います。

 

 

宇宙船内は、地球上と同じ1気圧に保たれています。宇宙船の壁は頑丈なアルミニウム合金で作成されており、船外の1気圧以上の気圧差でも十分に耐えることのできるよう設計されているようです。そして宇宙船外活動の中で一番重要ともされているのが、宇宙船外に出る準備だそうです。宇宙服内は、宇宙船外に出ると膨れ上がり作業がはかどらないそのため、気圧を約0.3気圧に下げるそうです。地上で生活している人が急に0.3気圧の環境におかれると「減圧症」という症状を発症するリスクが高くなります。理論上は、この気圧差が虫歯の痛みの原因です。減圧症を引き起こしてしまうと疲労感、関節痛、重篤な場合は呼吸困難に陥る場合もあるようです。その為、船外活動を行う宇宙飛行士は、宇宙服を着用する12時間も前から気圧に耐えられるように過酷なトレーニングに入ります。ここまで周到に準備をしないといけない宇宙空間とは、体験したことのない私達からは、なかなか想像することさえも難しいですよね。このような特殊な環境により宇宙空間は、地球上よりも歯の痛みが出やすいのです。

例えば歯の根元に小さな膿の袋があった場合は、地上では特に痛みに移行することは少ないかもしれませんが、小さかった膿の袋が、宇宙では気圧の関係でドンドン大きく膨らみ痛みに変わります。飛行機の中でスナック菓子の袋がパンパンになるイメージです。

そもそも歯痛の原因は、神経の炎症によって発生するガスです。そのガスの逃げ道がないので痛みとなり症状が出てしまいます。地上であれば、ガスが抜けるよう虫歯を除去しつつ穴をあけてガスの逃げ道を作ります。本来は根元に汚れが入らないよう蓋をしますが、痛みが強い場合は仮の蓋もせずガスを抜く事を優先する治療も少なくありません。そのくらいガスが溜まるという事は痛みを伴うという事です。気圧が低くなれば相対的に歯の内部圧力が高くなるので宇宙空間で痛みが出るのは納得ですね。

同様に詰め物や被せ物の周りに少しの空洞がある場合も同じ痛みが生じやすいようです。これは宇宙飛行士だけでなく、空で働くパイロットやCAにも同じことが言えます。

宇宙船内で地上と同じ治療をするとなると、水が飛び散り大変な事になります。ですから宇宙飛行士をはじめ、パイロットやCAもこのようなトラブルがないよう、宇宙船や飛行機に乗る前に必ず口腔内のチェックを行います。治療が必要な歯がある場合は、治療が優先になりますので最悪な場合、毛利衛さんのように、宇宙船に乗ることが出来ない場合もあります。

トラブルが起きないよう祈っていても、予期せぬことが起きる可能性もあります。チェックしたのにも関わらず歯痛…もしこのような事があれば、どうするのでしょう?この場合は、痛み止めを服用します。効果が得られない場合は、一緒に乗っているフライトサージャン(医師)の指示のもと抜歯になります。そして驚きの事実ですが、他の宇宙飛行士が痛みのある宇宙飛行士の歯を抜きます。その場を想定して訓練生は、歯を抜く訓練までも訓練の中に組み込まれているそうです。もちろん歯科医院で使用するような器具を全て持っていくことは出来ないと思いますので一思いに抜けるよう特別な訓練を受けていると想定します。本来の抜歯は、レントゲンで根元の数やカーブの状況を確認した上で歯科医師は抜歯に挑みますが、宇宙空間ではそんな事はできません。最低限の治療器具のみで抜く事になると思います。拷問とも思える事実に少し恐怖を感じてしまいます。しかし、極限の状況下ではするしかない処置なのです。

では、全く逆の発想で歯が1本もない総入れ歯の人なら問題がないのでは?っと思う方もいらっしゃるかもしれませんね。実は総入れ歯の方は、宇宙飛行士になる事が出来ません。NASAの規定によると入れ歯が壊れた場合、普通食を噛み、明確に発音出来ることが必要。との事でした。

私が働いていた歯科医院に、酷い歯痛を訴えた患者さんが来院され、「もうこんな痛み嫌だから全部抜いて総入れ歯にしたい」っと訴える患者さんがいました。確かに歯を抜く事で歯自体の痛みは無くなりますが、入れ歯を装着する事で起きてしまうトラブルを理解されていない方も多いです。具体的には、NASAの規定でもある通り、明確に発音する事は出来ません。歯のある方は特に気にした事がないと思いますが、入れ歯の方が発しにくい音というのはたくさん存在します。発音時の音は、音によって舌が接触する面積と場所が決まっていて、その部分に分厚い入れ歯や、薄っぺらい入れ歯があると少しで上手に発音する事は出来ません。発音する時に慣れだけでは解決しない発音障害が出ますので入れ歯があっても無くても、健全な歯が存在しないと正しい発音は出来ないのです。

そして、入れ歯が壊れた時を想定して入れ歯がない状態で普通食を完食するという事。これば出来ない訳ではありませんが、厳密に言うと、「丸飲み」の状態です。食べ物をしっかりと咀嚼せずに摂食した場合、消化不良を起こし腹痛や胃痛の原因になります。結果的に、総入れ歯の方は宇宙飛行士にはなれません。

 

いかがでしょうか。まさか宇宙飛行士が乗船する規定に「歯」が関連しているとはびっくりしますね。兎にも角にも、健康な歯は何にも変えることが出来ない誰にとっても大切な宝物と言う事です。これから宇宙歩行士を目指す人も、そうでない人もこの記事を心の片隅に置いて健康な歯を保つように努力していきましょう。

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