By KOBEホワイトニング Posted 2023-04-19
歯周病とはどんな病気?
歯周病にはならない方が良い、歯周病になると歯茎から血が出たり、口臭が強くなる、ということはみなさんご存知だと思います。
では、何が原因で歯周病になってしまうのかはご存知でしょうか。
誰でも歯周病をはじめ病気にはなりたくないもの。
それを防ぐためには、ただ闇雲に予防対策をするだけでなく、何が原因なのかを知り、正しく対策することが大切です。
ここでは歯周病とはどんな病気なのか、また予防するための方法をご紹介していきます。
■歯周病は感染症
歯周病は、歯周病菌が感染することで起こる感染症です。
恋人やパートナーなどとのキスでも移ると言われています。
歳をとると誰でもかかると思っていらっしゃる方もいるようですが、それは間違いです。
適切なケアができていれば、遺伝的な要因などを除き、歯周病も予防することが可能になるのです。
では歯周病とは具体的にどのような病気なのでしょうか。
《歯周病》
歯周病になると、まず最初に歯茎へ炎症が起こります。いわゆる「歯肉炎」と呼ばれる状態です。
歯茎が腫れたり、赤くなったり、歯磨きの時に出血したりします。
この状態で気が付き、ケアをしてあげれば歯茎は元に戻っていきますが、改善されなかった場合はもっと悪化してしまいます。
歯茎の炎症が著しくなり、出血だけでなく膿も出てくることもあるのです。
歯茎までだった炎症が広がり、歯の周りにも影響が現れると「歯周炎」と呼ばれる状態になります。
この歯周炎になると、歯茎だけではなく歯を支えている顎の骨までなくなってしまいます。
ちなみにこのなくなった顎の骨は元どおりにはできません。
骨が徐々になくなっていくと、その上にある歯茎も必然と下がっていきますので、歯の根の部分が露出し、歯が伸びたような見た目や歯と歯の間の隙間が大きくなるという状態になります。
歯周病の悪化に伴いこの状態も進行するため、歯の支えとなっている顎の骨が十分に歯を支えられなくなり、歯に揺れが出始めるのです。最終的に歯を支えきれないところまで顎の骨がなくなってしまうと、歯が抜け落ちてしまう、というのが歯周病の成れの果てになります。
これをわかりやすく日常にあることの中に当てはめて考えてみると、木とネジの関係に似ています。木にネジを埋め込む時、まだ埋まる前の状態ではぐらついて作業しにくいことがありますよね。埋め始めの浅い状態で、ネジがグラグラしてとれてしまったりしたことはありませんか。
顎の骨がなくなって歯がぐらついてしまうというのは、それと同じような状況なのです。
例え歯は虫歯がなく残っていたとしても、歯自体が抜けてしまったら、噛むこともできません。
虫歯は削って詰めたりするなどなくなった部分を補ってまた使うことができますが、歯周病で抜けてしまった歯は残念ながら使えるようにすることは出来ません。そういった意味では、歯周病は虫歯よりも怖い病気だと思いませんか。
■歯周病は全身疾患を引き起こす
歯周病が、全身の疾患にも影響することを既にご存知の方もいらっしゃるでしょう。
心臓疾患や脳血管障害、糖尿病、低体重児出産や早産の原因になるということがわかっています。
歯周病は歯周病菌が原因で起きることは先にお伝えしましたが、これにより歯茎に炎症を起こした時に毒性物質も生じます。歯茎の血管などからこの毒性物質が血管の中に入り込むことで、上記のような病気を引き起こしたり、悪化させたりするのです。
■歯周病を予防するには
このような歯周病、予防するにはどうしたら良いのでしょうか。
基本的には、原因となる菌を歯磨きでしっかり取り除くことです。
しかし100%完璧な歯磨きを自分で行うことができる人はまずいないと思って間違いはないでしょう。自宅での正しいセルフケアと、定期的に歯科医院でプロの手を借り予防していくことが必要です。
また、他にも生活習慣や食生活などの見直しも大切になります。
■もし歯周病になってしまったら…?
歯茎から出血するなど、歯周病かもしれないと気が付いた時には、なるべく早く歯科医院でみてもらうようにしましょう。早いうちに対処すればそれだけ早く歯周病の進行を食い止めることが可能です。
歯科医院では次のような治療をします。
①歯石除去
歯石などの汚れを取り除き、お口の中を綺麗にします。歯石自体は死んだ菌の塊ですが、表面がざらついているため新たな歯垢(プラーク)が付きやすい原因となります。
②歯磨き指導
歯垢(プラーク)などをなるべく残さず落とせるように、正しい歯磨きの仕方や、個人個人に合わせた磨き方を教わります。
③歯周外科処置
歯と歯茎の隙間の中の歯石などを除去するため、外科的な処置が必要となることもあります。
④噛み合わせの調整
噛み合わせが悪いと歯周病を悪化させる原因になります。調整が必要な場合は、歯科医師が調整を行います。
⑤生活指導
生活や食事の習慣、喫煙など歯周病に影響していることがあれば、歯周病改善のためのアドバイスがあります。
⑥合っていない被せ物のやり直し
きちんと合っていない被せ物などは、段差が生じてその部分に磨き残しが残りやすくなってしまいます。それが虫歯や歯周病になったり悪化させる原因となるため、必要に応じて治療をやり直すこともあります。
このように、歯周病の治療ではやるべきことがたくさんあるのです。
様々な方向から歯周病を改善し、そして再発しにくいお口の環境を作っていくことが大切です。
■まとめ
今回は歯周病についてご説明させていただきましたが、みなさんはどこまでご存知だったでしょうか。歯科医院が好きではない方は少なくないと思いますが、歯周病になってしまってから治療に通うことは決して楽とは言えません。歯科医院に通うと同時に、ご自分でも歯周病を治すための努力が必要だからです。
そして健康なお口よりも、歯周病が進んだお口の方が、セルフケアもセルフケアの仕方もずっと複雑になってしまうのです。
お口が健康なうちに、歯周病予防のために歯科医院へ通っていた方がずっと楽だと思いませんか。もしかしたら、既に歯周病になってしまっていると思われる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、気が付いた時が一番早い時期です。自分の力では歯周病を治すことは出来ませんし、放っておいても時間が経って治るということもありません。ぜひ、なるべく早く歯科医院へ行ってみてください。
そして今は自覚症状のない方も、これから歯周病にならないようにするためには、セルフケアと歯科医院でのケアが必要不可欠です。どちらも並行して行うようにしましょう。