By KOBEホワイトニング Posted 2021-06-18
歯医者の賢い通い方
あなたはどちらのタイプですか?
A 痛みがでた時や、詰め物が取れた時、何かしら口腔内に気になることが出てから歯医者に行く
B 痛みがなくても1年に数回定期健診で歯科医院を受診する
日本で歯医者は「歯が痛くなった時に行く病院」という考え方を持つ方がたくさんいます。
しかし、日本以外の歯科医療の先進国では「歯が痛くならないように行く病院」という考え方をお持ちの方が多数です。
何故、国によってここまでの差があるのでしょうか?
まずここで大切なポイントは「保険内治療」と「保険外治療」に分かれる事です。
日本の保険治療は、1961年に国民皆保険制度により施行された「全ての日本国民誰でも、どこでも、いつでも、貧富の差なく平等に受けられる」といった内容の保険制度です。
しかし、この制度には適応範囲が定められています。その適応範囲とは「病気に対して最低限の治療」という条件です。
逆に「保険外治療」は、保険治療とは違い細かいルール、制限がなく最善な治療を受けることが出来ます。別名「自由診療」とも言います。
例えば、虫歯で歯を失った場合、保険治療では、入れ歯かブリッジしか選択肢がありません。しかし、保険外治療になると入れ歯やブリッジ以外に、新たにインプラント治療という手段も選択肢の一つに入れる事が出来ます。他にも詰め物は保険適応で治療すれば銀色になるところが、保険外治療になれば、歯と同じような色で被せが出来たり、汚れが付きにくい素材で作ったり出来ます。
審美的なものや、材質的なものまで選択肢が選べるメリットがあります。デメリットは、コスト面での負担です。保険治療のブリッジの被せの代金がおおよそ2万円前後ですが、保険外のブリッジの被せ物だと10万~30万程度かかります。約10~15倍のコストの差がありますので、悩ましい所だと思います。
おおよその保険治療と保険外治療がご理解頂けたでしょうか?
アメリカや、スウェーデンなどの歯科医療の先進国では、定期検診は保険適応が多いようですが、逆に虫歯の治療は保険が効かない歯医者が多いようです。
そのため、アメリカやスウェーデンの方は虫歯になった場合、多額の治療費がかかるので、虫歯にならないように、定期健診に通い虫歯予防や歯周病予防を心がけていて、結果「虫歯にならないように行くところ」という思考になったのではないかと予想されます。
一方日本の歯科医療は、一般の歯科治療において保険が適応されている治療なので、虫歯になったとしても、数千円で虫歯の処置を受ける事が出来ます。虫歯の治療や歯周病の治療が、保険内で受ける事ができ、高額でない為、安心してしまっている部分も多いのかなと思います。イコール「痛くなってから通う病院」という考え方になってしまっているのではないでしょうか?
皆様は、歯が痛くならないよう歯医者に定期的に通院していますか?
歯医者には「定期健診」という歯科のメンテナンスがありますが、その事さえも知らない人もいらっしゃいます。
定期健診はメリットだらけです。
・口腔内のトラブルを防ぐ事が出来ます。
ご自分でご自分の歯全部を管理出来れば良いですが、それはなかなか難しい事です。第三者の目でしっかり検査をし、虫歯や歯周病などのお口のトラブルを未然に防ぐ事が出来ます。トラブルが起きたとしても、早期発見、早期治療に繋がるので皆様の大切な歯の全てを、より健康により長く維持できる事に繋がります。
・治療時の負担金額を軽減できます。
定期健診ももちろん費用はかかりますが、前半でお話させて頂いた通り、保険内でメンテナンスを受ける事が出来ます。しかし、定期健診にも来院されない方は虫歯になり治療を繰り返す度に、治療の手間や材料費がかかってしまい結果、治療費がかさみます。
・お口の中のスッキリ感が違います。
歯科衛生士や歯科医師によって行われるクリーニングは、歯がツルツルピカピカになり、着色汚れ等の汚れも取る事で歯の色も戻ってきます。自分ではできないケアを受ける事が出来ます。
ご自身で行う歯磨きやケアの事を「セルフケア」と呼びます。
歯科医師や歯科衛生士の資格保有者が行う専門的なお掃除を「プロフェッショナルケア」と呼びます。セルフケアにも限界がありますし、歯科医院で使用されているような機械や、設備も整っていない場合が大半だと思います。歯科医院での定期健診は、このようなメリットばかりなので是非お勧めします。
定期健診の流れ、内容は数か月の間に虫歯が出来ていないかのチェック、歯周病の検査、ブラッシングが上手に出来ているかのチェック、歯石とり、PMTCです。
2年に1度程度は顎全体が撮影できるレントゲン写真を撮影します。
歯科医院によって内容の差がありますので、あくまでも参考程度にして下さい。
虫歯のチェックは、歯の全周を一本一本見ていきますが、詰め物や被せ物のフチも見て虫歯になっていないのか、さらに虫歯の予備軍はいないかを検査します。
歯周病の検査は、歯周ポケットの深さを測定し、出血の有無や腫れや膿などの有無もチェックします。
ブラッシングのチェックは、磨けていない所が明確に染まる染色液を使用します。
何%磨けていないのか数値化する事でご自身の歯磨きの状態が分かりやすくなります。
歯石は、柔らかい磨き残しが落としきれず固まったものです。歯ブラシでは取り切れませんので、専用の機械を使用して歯石を取っていきます。
PMTCは、Professional Mechanical Tooth Cleaningの略で日本語に訳すと、専門的機械歯面清掃という意味です。歯の表面には、歯垢や歯石が汚れの膜を貼っていきます。その汚れの膜をバイオフィルムと言います。これは、歯科医師や歯科衛生士によって専門的な機械を使用し、バイオフィルムを除去していきます。このバイオフィルムがある事で、虫歯や歯周病を発症させてしまい口腔内の環境が悪くなります。このバイオフィルムをきちんと取り除く事で、虫歯や歯周病から歯を守ることが出来ます。
人によっては、噛み合わせのチェックや、虫歯のリスクが高い方はフッ化物を塗布してもらったり、マウスピースの調整や義歯の調整、洗浄なども行う事もあります。
歯医者は怖い所という変な先入観があり、定期健診さえも怖いといった方も中にはいらっしゃったかと思いますが、内容がある程度分かれば恐怖心もなくなると思います。
実際は賢い通い方というのは、
「歯医者は、細く長く通う」
という事です。虫歯や歯周病に罹患しないように普段から定期健診を受け、虫歯や何かしらのトラブルがあっても、早期発見、早期治療を行う事がとても大切です。
早期発見であれば最小限の治療で済むので患者さん自身の負担も軽いはずです。
これが一番賢い歯医者の通い方です。皆様の歯医者の通い方はどのような通い方でしょうか?負担も大きく、自費治療でもないのにコストばかりかかり、さらにこれが長期間の治療になってはいませんか?是非とも賢い通い方に変えてみて下さい。
歯科医院医よっては定期健診、メンテナンスが自費診療で行われていたり、フッ化物塗布だけが自費診療だったりする事もありますので、気になる方は受診される前に希望される歯科医院に問い合わせしてみて下さい。
さらにレントゲン写真撮影の期間や、検査のやり方などは歯科医院によって様々なのであくまでも参考程度にしてみてください。歯科医院によっては定期健診の内容や、流れが分かるパンフレットなどを準備されている医院もあるかと思いますので、スタッフさんに聞いてみて下さい。