よく聞くようで意外と知らない?フッ素とは

By KOBEホワイトニング Posted 2023-11-24

~フッ素について~

みなさん、フッ素というのはご存知でしょうか。 

フッ素というのは天然に存在する元素の一つで、歯や骨をつくる石灰化には欠かせない物質です。 

私たちがよく飲むお茶にもフッ素は含まれています。また、海産物中には高濃度のフッ素が含まれているので、私たちは日常生活の中でも1日1~3mg摂取しています。 

飲食物として摂取されたフッ素は、胃と腸管から速やかに吸収されます。わずかに残ったフッ素たちが主に骨や歯などの硬い組織へと沈着していくのです。  

このフッ素には、むし歯菌の働きを弱めて、歯から溶け出したカルシウムやリンの再石灰化を促し、歯の質を強くしてむし歯になりにくくする働きがあります。 

歯科医院で行うむし歯の予防方法の一つとして、フッ素塗布法があります。?

歯科医師や歯科衛生士が、綿球・綿棒などでフッ素を歯に塗布する方法です。?

歯科医院で取り扱っているフッ素は濃度がとても高いので、むし歯予防にとても効果があります。 

子どもの場合は、乳歯が抜けた後に生えてくる永久歯を幼若永久歯と呼び、この幼若永久歯は大人の歯よりも弱く、むし歯への抵抗力が低いので、とてもむし歯になりやすいと言われています。 

そのため、歯の生え変わりの時期は、早めに歯科医院へ行って、定期的にフッ素塗布をすることが望ましいです。

フッ素は子どもだけに塗るイメージをお持ちの方が多く見えますが、大人の場合でも、歯と歯の間・歯の根元など、むし歯になりやすいところにフッ素を塗布することで、むし歯予防に効果があります。  

また、よく子どもを持つ親御さんの中で、フッ素をいつ塗ったらいいのか分からないという声を聞きます。 

赤ちゃんで約7~8カ月くらいから乳歯が生えてきますが、歯が一本でも生えてきたらフッ素塗布しても大丈夫です。 

赤ちゃんなのに、飲み込んでも大丈夫なのかと心配の声も聞きますので、ここでフッ素の毒性について説明をしましょう。 

フッ素にはまず、急性中毒と慢性中毒があります。 

急性中毒は一度に多量のフッ素を摂取したときにおこります。 

体重1㎏当たり、2mgのフッ素を摂取してしまうと、急性中毒が発現しはじめます。 

例えば、体重70㎏の成人であれば、140mlのフッ素を摂取した場合に急性中毒が起こります。簡単に言えば、フッ素をジュースのようにゴクゴク飲んでしまったら急性中毒が起こるということです。 

症状は軽度であれば、悪心、嘔吐、流涎がみられ、数時間後までには消失します。症状が進むと腹部痛や下痢といった症状が出てきてしまうが、数日後には消失します。 

万が一、フッ素を大量に誤飲してしまった場合は、救急処置を行います。 

一つめは、ただちに誤飲したフッ素を嘔吐させ、排出させます。二つめは、カルシウム剤(牛乳でもよい)を経口投与、または1%塩化カルシウム溶液で胃を洗浄させ、フッ素とカルシウムを結合させ、不活性化させる。三つめは、カルシウム剤を静注または、筋注し、血中カルシウムレベルを維持する。

次に、慢性中毒についてですが、ある濃度以上のフッ素を長期的にわたって過剰摂取した場合に起こります。 

2ppm以上のフッ素を摂取し続けると歯のフッ素症(斑状歯)が生じ、8ppmを超えると骨硬化症が生じ、50ppmで甲状腺障害が現れ、125ppmで腎障害が起きます。50ppm以上のフッ素が含まれる飲料水や食物はほとんどないので、甲状腺と腎障害が起きる可能性はかなり低いと言われております。 

この慢性中毒は地域の特性で現れます。地域の水道水に1.5ppm以上のフッ素が存在し、生後4年~8年に渡ってその水を飲用しているといった生活環境のなかで慢性中毒というのは起きやすいです。 

そのため、歯科医院で起きる危険があるのは急性中毒になりますが、歯科医師・歯科衛生士がフッ素の安全性をしっかりと熟知し、把握しているので、フッ素塗布することは何も心配いりません。 正しく使えばフッ素はむし歯予防の強い味方なのです。 

そして、フッ素塗布以外のむし歯予防方法として、フッ化物洗口法もあります。 

この予防方法は、歯科医院ではなくてもご家庭でも行えますし、幼稚園や小学校・中学校でも行える方法です。 

毎日行う方法と、週に一回行う方法と2つあります。 

毎日行うフッ素濃度は226ppmと低く、週に一回行うフッ素濃度は900ppmです。 

この方法は口をゆすげるようになってから使用する予防方法なので、一般的には4歳から中学校卒業まで継続的に行うのが望ましいです。 

もちろん、大人や高齢者の方にもむし歯予防効果はあります。 

他にも小窩裂溝填塞法(フィッシャーシーラント)というむし歯予防方法があります。 

歯の噛む面の溝のところは、とても複雑な構造をしていて、むし歯になりやすい部分でもあります。そこに、歯を削らずにむし歯予防の素材である薬を填塞します。 

対象歯としては、生え始めて間もない乳歯・永久歯になります。例えば、臼歯の噛む面の溝が深い場合や、臼歯の横側の深い溝、上の前歯の裏側の溝などに填塞をします。 

癒合歯が見られる場合は、癒合歯の溝にも填塞する場合があります。 

このシーラント処置をする際、填塞部位の歯に汚れが残ったまま填塞してしまうと、それがむし歯の原因になってしまうので、処置をする前は歯科衛生士が専門的な機械で汚れを除去してから行います。 

ただ、この方法は歯を削って詰めているわけではないので、材料が取れてしまうことがあります。そのため、材料が取れていないか確認が必要になりますので、半年に一度は歯科医院に検診として来て頂いて、シーラントが破折・脱落していないかをチェックします。もし、破折・脱落が見られれば、その時にまたシーラントの再填塞を行います。 

しかし、フッ素を塗布したり、フッ化物洗口や、フィッシャーシーラントの填塞をしたからといって、絶対むし歯にならないというわけではありません。 

フッ素の力でむし歯になりにくくする手助けをするイメージなので、お家でも必ず歯磨きを行いましょう。?

市販の歯磨き粉にもフッ素が含まれていますが、歯科医院のフッ素より濃度はかなり低いです。そのため、定期的に歯科医院で検診を受け、フッ素塗布をしていき、むし歯になりにくいお口の中にしていくことがとても大切です。 

 

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